訓示
現在、新人と現場に出る機会が多い。
寡黙ながら、一所懸命に私の我儘に付き合ってくれている。
古今亭志ん朝さんが、弟子にいつも言っていたことは
「師匠が心地よく過ごせるように、いつも気を配り続けること」
これが仕事を覚える、芸を磨く第一の意識である、ということ。
私が見せる背中など、大したことがないのかもしれませんが
少しずつ、成長してほしいと、願う日々を過ごしています。
今日も現場で。工事の仕事。
手元でサポートやってくれている。
その様子をお店の方が色々と気にかけてくれて
面白おかしく、話しかけてくださっている。
「腰にたくさんぶら下げて、さすがプロだなぁ」
「お互いのテキパキした動きが良いねぇ」
素直に嬉しい、こういう声をかけてくださることは。
それ以上に、新人が懸命にサポートしている様子を
お客さんが喜んでくれていることが、何より嬉しいのです。
で、作業が終わって、ありがとうございました、と挨拶。
するとお客さんが「彼に電気屋さんの極意を伝えておきましたから」
と笑顔で、見送ってくださった。
そうですか、ありがとうございます!
私も笑顔で現場を後にした。
その後、新人にその真意を聞いてみた。
近『電気屋さんの極意とは、なんぞやった?』
新「えーっと、電気はアンペア、恋はアンフェア、ということでした」
楽しい、秋。