パンとサーカス
先週、上京消防署さんに9時の待ち合わせで、H清のN張さんと。8時半前に,早くも到着してしまって、春の温かい陽気、とはいえども、まだ朝は寒い日が続いておったので、寒さをしのぐためにも、少し南下して、進々堂さんにフラッと立寄ったのです。(ちなみに、Nさんは上京消防と中京消防を間違えて,少し遅参されました。お茶目だなぁ。笑)
カウンターに座って、朝はそれほど食べない主義なので、穀物パンとコーヒーを注文して、早速に軽快な語り口で大好きな池波見正太郎の『男振』を読み進めていると、ふとカウンターのメニューが立てかけてあるところの隣に、こんなもんを見つけました。
いしいしんじ パンとサーカス
(進々堂さんのHPより拝借失礼)
私はいしいしんじさんを知らない。説明書きによると、織田作之助賞を受賞されているのか。織田作之助といえば、夫婦善哉の方ですね。
中をパラパラとめくって見ると、ちょっとした書き下ろし小説だったのです。
近『これは、持ち帰っても結構なのですか?』
店「ええ、かまいませんよ。是非お持ち帰って、お読みください」
で、日曜日、受信機の前でひたすら待機する仕事で、あまりに退屈(こら)なので、読んでました。中古レコード屋さんで、パンが売られ、沢山のお客さんがきて、色んな人の風景があって、その人々にはそれぞれの喜びや悩みがあって、色んなご縁があって。
内容についてはネタバレになるので、触れませんけれども、なんだか香りが漂う小説でした。パンとコーヒーの香り、ふわっとしたもの。さらに音楽。もちろん小説だから、聞こえることはないんだけれども、知っているアルバムだったり楽曲だったり、色々出てきたりするから、頭の中でボンヤリと想像できたりして、暖かく楽しめましたよ。
しかし春ですねぇ。暖かいのは、なによりですが、おかげさまで土曜日より花粉症です。他の社員さんが週の中頃よりマスクして、くしゅんくしゅん、しておるから、あら、もしや、あたいの身体は改善されたのかしら、あはーん。
なんて、調子に乗ってたらだめりんこ。学校の階段下で眠っている、消火ポンプ室のカビた匂いを胸一杯に吸い込んでしまったときに、発症しました。ばか、ほんとうに、ばか。結局、こうやって3月が終わる頃まで、ダラダラと鼻炎が続くんだろうな,と思うと、まぁ憂鬱なのではございますが、なんせ今週は大切なことが沢山ありますので、気を取り直して、それに取り組まなければ,と思う、とにかく受信機の前で、ただひたすらに時間を持て余している、日曜日の昼下がりなのでございます。
追伸:結局、伊坂幸太郎の文庫本『ガソリン生活』を1日で読み上げてしまう始末。