あやしい点検業者には、くれぐれもご注意ください!
先日、弊社のお客様の倉庫に、作業服姿の男性が、まるで常連のように入ってきて、人当たりもよく、低姿勢で、慣れた口調で、こう言ったんだそうです。
「いつもありがとうございます。本日は消火器の点検にお邪魔させていただきます。」
そして、倉庫内の消火器を2本持ち帰り、代替の消火器を1本置いて、契約書にサインをとって、そのまま帰ったそうです。
契約書内には、このように書かれていました。いくつか抜粋します。
【消防用設備等点検整備請負契約書】
第1条 乙は当該建物や人の安全及び予防維持向上のため消防法第17条3の3の既定に基づき、消防用設備等の点検業務を庚に委託し、甲はこれを受託する。
第2条 この契約に基づき、乙が甲に支払う契約金額は、○○とし、納品時に現金支払いとする。
第4条 乙が万一支払い遅延した場合において(中略)遅延損害金として年率30%及び保管料の請求は、支払い終了日までの日割り計算にて算定した金額を支払う。
第6条 本契約に関し紛争が生じた場合は大阪地方裁判所又は簡易裁判所とすることで了承する。
(今回の業者名)殿
本商取引による点検整備作業を(今回の業者名)さんが有料実施してくださることについては本書面で十分確認しておりよく理解しております。
署名する私は、当然会社組織(又は団体など)を代表または代理していますので点検整備など作業に係わる支払うべき費用の確認したことや支払い義務があることは十分認識しています。
つきましては、署名後代表者、管理権原者、及び私が連帯責任保障してお支払いいたします。
署名の際は会社として申し込んでいますから会社名及び私の署名をして依頼をしますが、以後は虚偽処罰の対象となるような支払い拒否などは一切いたしません。
又会社の印や代表者の印がなくても契約は十分有効であることに同意します。(以下続く。。。)
周知のとおり、本契約書は事業所対事業所の契約(B-TO-B契約)となりますので、特定商取引法第9条既定のクリーングオフ制度の適用は除外と確定しています。
・・・ということでした。
商売のやり方は各企業それぞれ自由だとは思いますが、私たちの普段の仕事の順序としては、最初に点検作業の御見積もりを提出させていただき、その金額をお客様がご納得・ご了承の上、点検作業を実施させていただいております。
飛び込みで営業をかけるようなことは、まず行いません。
さらに、この業者の名刺には「消防設備業登録済旭第○○○○号」と記載されていましたが、そのような登録先は存在しませんでした。
名刺に書かれた住所をネット検索してみると、色々と怪しい商売をしているようです。その商売の内容について、口を出すつもりはありませんが、お客様第一として「商売のやり方」については苦言を呈したいです。私たちの仕事は、信用第一ですから、作業前にしっかり契約の確認を行っていただき、ご理解いただいた上で作業に取り掛からせていただきます。にもかかわらず、契約書の十分な説明もせずに、サインを求めることは、如何なものでしょうか。(今回の事例では、契約内容の文面すら見せずにすぐサインだけ要求したのだそうです)
ちなみに今回の場合、お客様が書面にて支払い拒否の文面を、到着記録を踏まえて郵送したところ、それから何も音沙汰が無かったようで、このような事例が今後起きないように、ということで、色々な資料や情報提供にご協力いただきました。この内容については、京都の消防設備協会に報告し、協会としての周知徹底をお願いしたところです。
ご家庭だけでなく、各事業所様にこのような業者が出入りすることがあります。各事業所様におかれましては、今一度このような事例について、社内で周知徹底していただきたいと思います。我々も、業界の健全化に、このような業者の徹底排除について、努力していきたいと考えています。