私たちの仕事とは。
昨日、広島のホテルで大きな火災が発生して、それに巻き込まれた7名の方々の尊い命が失われました。先ずは亡くなられた方々に対して、深くお悔やみ申し上げます。
本日の様々な報道を見ていたのですが、火災報知器が正常に作動しなかった、建物の建築設備(排煙設備/防炎措置/非常照明設備)などの不備が以前より指摘されていた、とのこと。そして、とあるメディアの結論としては、様々な建物があって、消防法に違反している建物に対して、消防署は使用禁止命令を出す事が可能であり、もっと積極的に違反している建物について命令を出すべきだ、ということを結論にしていました。(あくまで1つの報道の話です)
確かに報道の通りではあるが、実際に消防法が厳しくなると、それに対する建物の維持費であったり改修費であったり、管理コストは大きくなるばかりです。もちろん適切にそれらに対して対応する事が理想ではありますが、今の世の中の現状(いわゆる不景気)ではなかなかそれらが改善されていかない事実もあります。だからといって、どんどん停止命令を出していけばよい、その流れで果たして良いのでしょうか?私は少しそれには疑問を感じています。
もちろん法律は守られなければなりません。消防署が発する改善命令に対して、真摯に取り組む事無く、放置したままにしておくことについては、決して良い事ではありません。実際に色んな設備を改善したり、定期的な点検作業についてもお金が発生します。そのお金について充分に対応できない世の中の景気でもあります。なかなか生産性のない設備に対しての投資など、どうしても敬遠されてしまうことは分からなくもありません。
そこで消防署であれ、私たち民間であれ、防火について何も言いっ放しにするのではなく「共に防火について取り組んで行く」姿勢を見せること、それに納得していただくくような社会作りにもっと働きかけていくべきではないかと思います。共に火災の無い、災害に強い町づくりを推進しなければなりません。
さらには今回の火災事故について、今はタイムリーに様々なことがいわれ、世論も積極的に事由について感心をもたれるとは思いますが、一時期がすぎれば、またこのような残念な事故が風化していくことも事実だと思います。私たちの仕事は、常に防火/防災について積極的に皆さん/社会に対して伝えて行くことである、とこの事故を機会に改めて思い直しました。