(特別寄稿)震災から1年。もう一度「防災」を考える。その1
新聞、ラジオ、テレビ、インターネット。
あらゆるメディアに震災から1年経った旨の情報が流れていましたね。本日、作業にお邪魔した宗教系の大学でも14時46分頃には、哀悼の意を示す鐘の音が鳴り響いていました。wikipediaを調べてみると以下のように東日本大震災について明記されていました。
2011年(平成23年)3月11日14時46分18秒(日本時間)、宮城県牡鹿半島の東南東沖130kmの海底を震源として発生した東北地方太平洋沖地震は、日本における観測史上最大の規模、マグニチュード (Mw) 9.0を記録し、震源域は岩手県沖から茨城県沖までの南北約500km、東西約200kmの広範囲に及んだ[6][7][8]。※wikipediaより抜粋
さて、改めて1年という節目を迎えた今日、私は「防災」についてもう一度考えてみようと思います。私たちにとっての「防災」とは一体何なのか、私たちに震災は何をもたらしたのか、震災を機に何が変化したのか、そして我々が取り組む姿勢を改めて綴ってみたいと思います。
と、その前に。予めお詫びをしておきます。文中、読まれる方によっては、違和感や不快感を与える表現があるかもしれません。しかし、あくまで一防災屋としてのスタンスで「防災」について書かせていただきます。実際には、我々が居るのは直接震災によって被害を受けなかった安全な場所だし、ボランティア活動などを通しての震災体験はしていません。それでも防災に関わる人間として、1つの意見をさせていただきたいのです。その点について、ご理解、ご了承ください。なお、ご意見、ご感想は弊社メール(info@kb-staff.com)まで是非ともお願い致します。色んな方々の思うことを伺いたいです。よろしくお願い致します。
1.震災から1年。「なんとなく」振り返ってみませんか?
~一所懸命になって、震災について向き合うのもかなり大変です~
震災直後、各メディアでは震災の悲惨さや現実が報道されていました。壊滅的な被害を受けた町村の状況、ライフラインが経たれた人々の悲しみや叫び、原発の水素爆発の様子、などなど。様々な衝撃的な光景であっても、やはり直接的な被害を受けなかった者として、そして防災に関わる人間として、色んな情報を見逃すことはできない、と当時の私は必死に情報と向き合いました。すると、1週間ぐらい後に、夢の中で津波にのまれる夢を見てしまいました。まさか、自分が間接的に震災の影響を受けているとは、その時点まで全く理解できていませんでした。
たった1年で、復興もなかなか順調に進んでいない現状の中で、この震災を一言でまとめることは有識者であれ困難であると思います。(少なくとも私には決してできません)やはり自分にとっての非日常的な事柄を改めて考え直すならば、現時点では、先ず震災について考えた時に、何か断片的なものを拾い上げ、それについて「なんとなく」思うぐらいのスタンスで良いのではないかと思います。そして数年後、もしくは数十年後に自分なりの理解をするぐらいのスピードで向き合うように、ゆっくりしっかり時間をかけて考える余裕をもって、この1年を振り返ってみては如何でしょうか。
2.防災は「もしも」に対してではなく、「やがて来る=いつも」に対する構えであるべき
ポプラ社から発行されている『地震イツモノート』に書かれている文章に「地震が起きる可能性は、モシモではなく、イツモある。」とあります。皆さんご存知の通り、これだけ大陸プレートがひしめき合っている地盤を土台とする国に住んでいる私たちにとって、地震はいつ起こってもおかしくない状況です。このことは地震だけでなく、全ての災害についても当てはまることだと思います。
もしもに対する備えは大変です。「いつ来るのだろうか・・・」「この備えで大丈夫だろうか・・・」普段忙しい皆さんにとって、このようなことで時間を割くことすら大変だと思います。どれだけ具体的に対策を講じてみても、どこか必ず不安が残りますからね。それならば、いっそ「いつ起こってもおかしくない」と予め腹をくくっていれば、いざという時に平常心で(なかなか難しいですが)対応できるのだと思います。この「予め」がこれからの防災について重要なキーワードになると私は考えています。
予め:物事の始まる前に、ある事をしておくさま。前もって。「―調べておく」
小学校の時にも、テスト前の予習の大切さは嫌というほど先生に言われたもんです(笑)それを怠ると、なかなかイイ点数が取れなかったのは皆さんも同じでしょう。予め、災害について対応しておく。さらには、予め災害はやってくるものだと覚悟(ちょっと大げさかもしれませんが)しておく。この予めからの心の持ちようが、普段の防災に対しての心がけとして、いざという時の「減災」につながるのではないでしょうか。
(その2に続く)