国違えば 水も違う
先週、妻の親戚の不幸があって、1泊2日で北海道(妻は道産子です)に行ってきました。
夜の最終飛行機、関西空港から飛び立って、到着した22時の現地気温が2℃...空港までは義父が迎えにきていただき、そこから車で約1時間ほど白老という町まで出かけます。途中でコンビニに立ち寄ったのですが、車降りてから店に入るまでの数メートルが寒い...なのに向こうのお店の中はとても暖かく、店員さんなぞ半袖で過ごしていらっしゃる。。。そこで色んな酒を購入し、葬儀場へ。葬儀場の中もヒーターがんがんに効いているので、カットソー1枚で充分に過ごせます。そこでたらふく飲んで食べて、次の日の本葬に向けて就寝。
朝起きて、葬儀場の方が作ってくださった朝食をいただいたのですが、そこで白飯・味噌汁と色んなおかずが用意されていたのですが、やたらと沢山焼かれた鮭と、すじこ、ならぬ、ますこ(マスの子)が出ていてビックリ。妻に「こんなのが朝から出るの?」と聞くと、シンプルに「うん」だって。へぇ。所違えば水が違う、とは申しますが、朝食も違うことに少しビックリ致しました。ちょっと食べたのですが、少し生臭くて決して美味しいとは言えませんでしたが。。。
さて朝食を食べて、ちょいと外に出ると吐く息はもちろん、鼻息も真っ白。恐らく0℃ぐらいだったのかな?それでも京都の下からじんわりくる冷たさとは違い、なんだか心地よい寒さだったのが印象的です。その後、本葬→火葬場へ向かい、火葬場の近所にある妻のおじいさんのお墓参りをしてきました。キリッとした空気の中で、お墓に向かって手を合わせるのは、なんだか清々しい気分になりますね。
火葬場までの道中は、両脇に見える自然がとっても北海道らしい、と申しましょうか。ただ一面に広がる白樺の木、たまにいる放牧された黒牛(白老牛は結構有名なんだそうです)たまーに灯油タンクが横に設置されている家。。。そんな光景がずーっと拡がっていました。京都人としては、北海道=北の国からのイメージがどうも強いようで、どうしてもあの光景と比較をしてしまうのですが(その比較について道産子曰く「私たちでも、さすがにあそこまではいかなかった」んだそうですが)なんだか本当の自然らしい自然(ややこしい)を目の当たりにした気がします。ジョン・クラカワーの『荒野へ』という本がありますが、主人公?が最後を迎える土地の風景は、こんな感じだったのかしら。
一通りイベントが終わって、空港までの帰り道、霧のように視界をさえぎる、空を綿毛のようなものがフワフワ浮かんでいるのは、俗にいう「雪虫」という虫で1週間ほどしか発生しないそうなのですが、それらが出るといよいよ北海道も冬本番、雪が降る前兆なんだということを教えてもらいました。
関西空港に戻ったら、気温18℃。暑いったらありゃしない。
今日、週間天気予報を見ていると、今週水曜日あたりから札幌では雪が降るらしいです。そして、ふと気が付けば、ぐっと冷え込んだ北の大地を、あの無駄に白樺ばかりのだだっ広く殺風景な荒野を、なんだか懐かしく思い、今一度見に行きたく思っていたりします。以前から「冬の北海道だけは絶対に嫌だ」と妻に、そして義父に公言していた私だったのに、どうやら自然の魔力に少し取りつかれてしまったようです。