夢
夢を、見た。(黒沢明風でお願いします)
ここは、とあるBAR。俺はカウンターで一人、グラスを傾けていた。中には女性の(残念ながら中年の)バーテンダーが一人いるだけだ。グラスの中の氷を揺らす液体は、少し薄い琥珀色で微発泡の様子をだったから、飲んでいるものは恐らくウイスキーのハイボールだろう。木地のカウンターに、壁は漆喰が塗られているようで、壁から突き出した洋風の照明が、ぼんやりしたオレンジ色に店内を照らしている。さてふと気が付けば、酔いが進んでいたのか、カウンターで少し眠りに落ちていたようである。ほわぁっとした確かに酔っ払いの意識の中で、バーテンダーに「お会計をお願いします」と静かに伝えて、おもむろに帰り支度を始めると、出された伝票の中に「¥60,500.-」と書かれていた。思わず目が覚めた。家の布団の中にいた。
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しかし、まぁ夢の中で居眠りをしている自分もどうだと思う。そして一体全体、何を呑んで¥60,500だったのか、気になって仕方がない。全くワケワカメである。今まで呑んだお酒で、一番高かったでさえ一杯6,000円だった。(これは酔っぱらっている先輩がご馳走してくれた。ありがたやぁ)そしてお店の雰囲気から想像する限りは、ぼったくりBARでは無かったのだろうけれども。(といっても、ぼったくりBARに行った事が無いので、いったいそれがどんな雰囲気のお店なのかは分からないけれども)またキリの悪い500円の存在に、なんだかモヤモヤさせられる。ちょっとしたオカキ?いやいや、いまさらそんなことはどうでもよい。しかし白い感熱紙に浮かぶ60500の数字が、今でもリアルなイメージとして思い出されて、次にお酒を呑みに行くときには、なんだかその記憶が脳を刺激して、舌から神経中枢までに伝達される電波の到着を弊害し、いわゆる味覚のズレが生まれて、美味しくお酒がいただけなくなってしまう不安が少しあったりするんです。
いや、無いね。そんなことは。どうせ呑みに行ってるんだから、ほろ酔いでそんなこと、とっくの昔に忘れてしまっているよなぁ。
というわけで、今週はお酒を断ちます。次の日曜日に町内の運動会があって、メンバーが足りないことから、対抗リレーのメンバーに選出されてしまったからです。お酒を断ったから、といって自分の走りになんら影響はないのですが、それなりに町内会長としての責任を感じているわけですよ。せいぜいケガしないように頑張ります。。。