京都大学にて
先日、京都大学にて最近大人気の内田樹さん(神戸女子大学教授)の講演会に行ってきました。なんでこんな部屋をセレクトしたんだろう、と思わせる100名程度で満杯の教室で開催予定でしたが、学生だけでなく一般の方々も無料参加可能だ、ということもあって、あまりの人の多さ(廊下の立ち見席がでるほど)のため、急遽大講義室300名規模の部屋に移動して、約1時間半「人文科学に未来はあるのか(あるといいけど)」という題目で講演がスタート。
さて彼は仏文学研究者でありながら、合気道やったり高橋源一郎と政治について語っていたり、年末には大瀧詠一師匠とラジオ番組作ったり、なんだかよくわからない経歴なのですが、色々な物事に対してアカデミックな、さらには骨のある持論を展開する人です。余談ですが、関西学院大学だとか神戸女子だとか、このあたりの学校は北摂エリアと呼ばれ、割と新しい物に対して敏感な人々(=先生たち)を北摂モダニズムと称するようである(これは京都大学の地域経済学の岡田教授から聞いた。てことは、それとは反して京都モダニズム?)まぁその語り口の分かり易さと面白さから人気が出てるんだろうなぁ、と思う。
さて最近の文系の人間がつまらなくて、理系の人間ばかり尊敬している、のだそう。例えば、彼がフランスに留学中に日本人が語る文学評とは、人に認められたいがための言葉であって「何かを背中に背負っている人間」の生の声とは遠くかけ離れていたのだそう。一方、最近彼が仲良くしている、とあるお医者さんは、例えば病人がインフルエンザであろうと、ただの流行り風邪であろうと、どんな病気かを確認する作業が大事なのではなく、健康に戻す、ことのみに興味を持つのだそう。そして目の前にある「生の物(なまのもの)」に対して、余計な理屈を考えずに、また自分の手持ちの武器だけで、なんとか治すように立ち向かう。持っている知識を、文学者のように語呂合わせ的にまとめるのではなく、全力で出し切って知恵を絞りきって使おうとする人間のほうが面白いのだ、という。そこに知的イノベーションがフル回転していて、そんな人々が多いのは理系なんだそうです。
自分たちの仕事に置き換えてみると、全員基本的には現場作業がメインです。皆さんの会社や学校にお邪魔して、そこに設置してある様々な消防用設備が正常に機能しているか、色んな道具を使って確認しようします。また、急に火災報知器のベルが鳴りだした建物に急行して、とりあえず持っている道具で対応したりもします。もしかすると、私たちの仕事は理系的なのかもしれません。現場にある設備は「生の物」であり、それに一生懸命に工夫を持って取り組んでいるのなら、私たちはきっと人として消防設備士としての使命を背負い輝いているはず。。。その輝きは他人だけでなく、自己にも向けられて、きっとそれが「誇り」という言葉に変わるんじゃないかな、なんて少し強引な展開ですが感じた講演会なのでした。
最近、とにかく色々勉強したい、と思っていて(30代過ぎてようやく笑)やっと色んなことを吸収できる身体が出来てきたので、さらに貪欲に回りにある色々なことに生で触れて行きたいな、そんな風に思うのでした。あー難しい文章を書くのは、大変だ。
(お知らせ)
プライベートなことなのですが。1月29日(土)今週末、烏丸二条上るMew's cafeにおいて、ライブやります。うちのヤナギもDJとして参加しますよ!music ¥500 + 1drink 1foodにて18時30分より開催いたします。お時間ある方は、ぜひお越し下さいませ〜