独身貴族
妻が北海道出身で、年に1度は帰省する。
というわけで、7月の21日より10日間、私は自由を手に入れた。
「ショーシャンクの空に」で例えるならば
まさに主人公が脱獄して雨の中、ガッツポーズを取ったシーンを思い出していただければ容易い。
自由だ!自由だ!自由だー!
自由を手に入れるまでの日々は、色々何をしようか悩む。企てる。楽しみ。
自由を手に入れた日。早速飲みに出かける。3連ちゃんで飲みに出かける。
しかし。
しばらくすると飽きる。これが家庭を持った男の宿命なのか。
まず胃の疲れに始まる。ただ飲みすぎなだけなのに。
次にお店の食事ばかりで飽きる。ただ油物をどうしても消費してしまいがちなだけなのに。
日曜日は昼から家でゆっくり過ごそうと、TSUTAYAに初めてDVDを借りにいく。
それまでに近所の酒屋でハートランドビールとアテを購入して
お外は暑いだろうに、クーラーがんがんにかけて酒を飲みながらイージー・ライダーを見る!
これがまさに独身貴族の楽しみ方だ!と意気込んでみたものの
DVDを借りるときに
〜中身だけ取り出せばいいのか箱ごと持っていけばいいのか〜
こんなことで、悩んでしまう。。。
「このおっさん、そんな真剣にどれ見たいか探してるんだろうなぁ」
違う。隣で見つめる小さな女の子の視線が気になる。
こんな世間では普通なことも分からないなんて。。。
店で30分ほど格闘して(ただ箱を持つか否か選択を困っていただけ)
ようやく家に戻り早速ビールを飲みながらバイク野郎の映像を見るが
すぐに酔いが回ってしばらく眠ってしまい
起きたときにはジャック・ニコルソンが殺されているシーンで
なんだか微妙な感じになる。
さらにその後、スカイ・クロラを見て、さらに心が沈み
17時半からの笑点の陽気なオープニング音楽が、心に切なさを呼び起こす。
結局、平日は仕事に追われて、気がつけば家族が帰宅。
心の中で、やはりみんなの帰りを待っていたんだよー。
しかし子供たちの成長とは、すさまじいもので
この10日の間に、上の娘は「すなかけねぇ=そんなのかんけえねぇ」を覚えたり
ブラックマヨネーズの小杉をマネたように「ヒーホーヒーホー」踊り狂い
一方、下の娘は歩くスピードが格段に早くなり、声が無駄にデカくなり。
やっぱり家族って、なんだかんだいっても、良いもんですね。
一時的な独身は家族に帰属する。